鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

2014-01-01から1年間の記事一覧

ユーモア時代劇の佳作「善人長屋」

西條奈加、「善人長屋」(新潮社) 善人長屋(新潮文庫)作者:西條 奈加新潮社Amazon善人長屋 (新潮文庫)作者:西條 奈加新潮社Amazon西條奈加の本はこれまで「金春屋ゴメス」「異人村阿片奇譚 金春屋ゴメス」「烏金」「恋細工」「はむ・はたる」と読んできた…

安定の面白さ「ZUCCA×ZUCA 10」

はるな檸檬、「ZUCCA×ZUCA 10」(講談社) 近所の書店に置いていなかったため、入手が遅れた。 (KCデラックス モーニング)" title="ZUCCA×ZUCA(10) (KCデラックス モーニング)">ZUCCA×ZUCA(10) (KCデラックス モーニング)作者: はるな檸檬出版社/メーカー: …

時間をかけずに語学を身につけることはできない

ロンブ・カトー、米原万里訳、「わたしの外国語学習法」(ちくま学芸文庫 ロ3 1) わたしの外国語学習法 (ちくま学芸文庫)作者: ロンブカトー,Lomb Kat´o,米原万里出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2000/03/01メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 189回この…

「思い出のマーニー」

ジョーン・G・ロビンソン、高見浩訳、「思い出のマーニー」(When Marnie Was There)新潮文庫 映画を観て感動したため、原作に興味を持ち、購入。複数の出版社から出版されているが、新潮文庫で出ている場合はそれを最優先させるマイ・ルールがあるため、高…

じわじわくる。「五色の舟」

津原泰水(原作)/近藤ようこ、「五色の舟」(KADOKAWAエンターブレイン) 漫棚通信さまが褒めていた(下記リンク参照)ので、近藤ようこなら間違いないだろうと思って買ってみた。全く知らない作品を買うのは勇気がいるが、確かに間違いではなかった。作品…

「幽霊が返した借金」

翔田寛、「幽霊が返した借金」(PHP文芸文庫) 初めて見る作者名だが、本を手に取って読みやすそうなので入手。実際読みやすく、面白かった。時代劇ミステリー。副題が「おでん屋こはる事件帖」となっている通り、江戸のおでん屋で働く「こはる」という女が…

「探偵が腕貫を外すとき 腕貫探偵、巡回中」

西澤保彦、「探偵が腕貫を外すとき 腕貫探偵、巡回中」(実業之日本社) 西澤保彦の作品は多過ぎて、とてもそのすべては追い切れないが、腕貫探偵シリーズは必ず読むことにしている。 いわゆる安楽椅子探偵もののミステリー 短編集(シリーズの中には長編も…

いわさきちひろの遺作「赤い蝋燭と人魚」

小川未明作、いわさきちひろ絵、「赤い蝋燭と人魚」(童心社) 1975年刊。既に小川未明は故人だったが、いわさきちひろのイラストで新たに絵本が作成されることになった。が……その作成途中でいわさきちひろが亡くなり、本作には完成された絵だけでなく、ラフ…

「ZUCCA×ZUCA 9」

はるな檸檬、「ZUCCA×ZUCA 9」(講談社) 何度読み返しても面白い。この作品のおかげでずいぶん(元)タカラジェンヌさんの名前を覚えた。ドラマに出てきてもすぐにわかる。もう終わりかと思うとさびしい。ZUCCA×ZUCA(9) (KCデラックス モーニング)作者: は…

待ちきれなくて「ココハナ」購入

先日購入した「かくかくしかじか」4の衝撃的なラストを、ネタバレになるけどちょっと紹介しておくと、アキコは大阪へ出て漫画家生活をスタートさせた。徐々に人気も出てきて、燃えて仕事をしている頃、日高先生は検査で不治の病が見つかり、余命宣告を受けた…

「かくかくしかじか 4」

東村アキコ、「かくかくしかじか」4(集英社) 今さら言うまでもないが、東村アキコの(現時点での)最高傑作。自分は東村アキコは「ひまわりっ」から知ったので、あの作品は若き日の東村アキコをモデルにしているとは聞いていたが、お父さんが沖縄に単身赴…

「アオイホノオ 12」

島本和彦、「アオイホノオ」12(小学館) アオイホノオ(12) (ゲッサン少年サンデーコミックス)作者: 島本和彦出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/10/20メディア: Kindle版この商品を含むブログ (4件) を見るアオイホノオ DVD BOX(5枚組)出版社/メーカ…

「アオイホノオ 11」

島本和彦、「アオイホノオ」11(小学館) アオイホノオ (11) (少年サンデーコミックススペシャル)作者: 島本和彦出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/12/12メディア: コミックこの商品を含むブログ (22件) を見る

「アオイホノオ 9, 10」

島本和彦、「アオイホノオ」9, 10(小学館) 新刊が出た時に即座に購入できればいいのだが、少し間が開いてしまうと、何巻まで買ったのかわからなくなってしまう。自宅の書棚にきちんと整理されていれば、見ればわかるのだが、あちこちに置きっぱなしになっ…

吉田秋生の最高傑作「海街Diary 6 四月になれば彼女は」

吉田秋生、「海街Diary」6(小学館) すずの遺産相続の件で四姉妹がすずの親戚に会いに行った時、「子どもの耳には入れたくないことがあるから」といって、実際の話はしゃちねえと佳乃が相手方と話をしたのだけど、佳乃がしっかりした受け答えをして、シャチ…

安定の面白さ「ZUCCA×ZUCA 8」

はるな檸檬、「ZUCCA×ZUCA 8」(講談社) 発売と同時に購入。相変わらず安定の面白さだが、あとがきによると間もなく連載が終了するらしい。20年も30年と続くような作品ではないとは思うが、ちょっと早過ぎはしないか(ちょうど三年半だとか)。それとはるな…

ああ無情の泥酔日記

北大路公子「ああ無情の泥酔日記」(新潮文庫) かつて「Web日記」なるものが一世を風靡した時代があった。少し遅れてブログが登場し、「ブログ」という言葉の意味がわからないとか、日記とブログはどう違うのかとか、「あなたは日記派? ブログ派?」なんて…

月間読書数ゼロ

5月は本を読み終わらなかった。読みかじった本は数冊あるのだけど。最近はきちんと読書記録をつけなくなってしまったので、断言はできないが、一ヶ月ゼロは非常に珍しいのではないか。iPhoneを手にしてから順調に読書量は減っていると思う。

学ばない探偵たちの学園

東川篤哉「学ばない探偵たちの学園」(光文社文庫) これはイマイチだったかな。学校の中で人が殺されたら、もっとショックを受けると思うのだ。鵜飼杜夫のようなスレッカラシが人が死んでも気にも留めないというのはわかるが、教師や高校生が冷静に謎を解こ…

中途半端な密室

東川篤哉「中途半端な密室」(光文社文庫) 東川篤哉の初期短編集。正確には、プロになるきっかけをつかんだ作品だから、最後のアマチュア時代の作品と呼ぶべきか。短編集だが、冒頭の表題作にいきなりやられた。短いが、緻密な推理、意外な結末、しかも荒唐…

交換殺人に向かない夜

東川篤哉「交換殺人に向かない夜」(光文社文庫) 見事に騙された! 昔は叙述トリックは好きじゃなかったけど今は気にならない。東川篤哉は「密室の鍵貸します」「密室に向かって撃て!」「完全犯罪に猫は何匹必要か?」と読んできて、格別素晴らしいとは思…

「マンボウ最後の名推理」

北杜夫、「マンボウ最後の名推理」(実業之日本社文庫) 晩年の作品なので、あまり期待しないで購入したのだが、変な言い方だが、案外面白かった。単行本は2003年1月刊。短編が三編収録されているが、うち一編は1992年か1993年に書いたもの。他の二遍も同時…

「わらしべ長者」

木下順二、「わらしべ長者」(岩波少年文庫) 対象年齢は小学校5〜6年生となっているが、小学生にはちょっと厳しいのではないか。いや、どうだろう。自分が小学生の時にはこのくらい読んでいたのかな……?木下順二の著書をこうして平成の世に読めるということ…

「日本のこわい話」

須知徳平(編著)、「民話と伝説 呪いの巻物3 日本のこわい話」(偕成社) 対象年齢は小学校中学年以上となっており、文字も大きく文章も短めなのでさくさく読める。紹介されている話は、大半はどこかで聞いたことのある話だが、ストーリーの展開や結末をき…

「日本のおばけ話」

神戸淳吉(編著)、「民話と伝説 呪いの巻物1 日本のおばけ話」(偕成社) Enjoy Simple Englishの中のJapanese Folkloreに出て来る話、シチュエーションはなんとなく知っていても結局どういう話か知らないものが多いため、借りてみた。雪女の話は「雪むすめ…

「わたしは甘えているのでしょうか?」(27歳・OL)

村上龍、「『わたしは甘えているのでしょうか?』(27歳・OL)」(青春出版社) 発言小町やお嫁さんな井戸端会議など、ネットでは人生相談サイトが大人気であるが、どうもしっくりこないものを感じていた。回答する人が素人だからかな、と思い、本書を手にし…