鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

小説

「ビブリア古書堂の事件手帖」3

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~」(メディアワークス文庫) ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延KADOKAWAAmazonこの巻のプロローグとエピローグのブックエンドはこれまで…

「ビブリア古書堂の事件手帖」2

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~」(メディアワークス文庫) ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延KADOKAWAAmazon本巻は未読だと思っていたが、第一話の読書感想文の話は記…

「ビブリア古書堂の事件手帖」

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~」(メディアワークス文庫) ビブリア古書堂の事件手帖(1) (角川コミックス・エース)作者:三上 延,ナカノ,越島 はぐKADOKAWAAmazonふと、文庫本を自分が所持していることに気付いた。映画を見…

「博士の愛した数式」

小川洋子「博士の愛した数式」(新潮文庫) 博士の愛した数式(新潮文庫)作者:小川洋子新潮社Amazon昨日、映画のことを思い出していたら猛烈に原作が読み返したくなり、kindleで購入して読み始めた。面白い。素晴らしい。これはとてもよくできた小説であり…

「意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語」

氏田雄介「意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語」(イラスト:佐藤おどり) 意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語作者:氏田 雄介PHP研究所Amazon一時期、54文字専用の原稿用紙を使い、物語を作ってSNSに投稿するのが流行っていたこ…

「シャーロック・ホームズの冒険」

ドイル、石田文子訳「シャーロック・ホームズの冒険」(角川文庫) シャーロック・ホームズの冒険 新訳版 シャーロック・ホームズ (角川文庫)作者:コナン・ドイル,石田 文子KADOKAWAAmazon角川文庫のホームズシリーズで、本作のみ石田文子の訳である(ほかは…

「スパイ王者」

ドイル、山中峯太郎訳「スパイ王者」(底本:ポプラ社、発行:くぇい兄弟社) スパイ王者 名探偵ホームズ全集 (山中峯太郎ホームズ)作者:コナン・ドイルくぇい兄弟社Amazonドイルの訳本をずっと検索していたら、山中峯太郎版が電子化されているのに気付いた…

「シャーロック・ホームズの冒険」

ドイル、深町眞理子訳「シャーロック・ホームズの冒険」(創元推理文庫) シャーロック・ホームズの冒険 【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ (創元推理文庫)作者:アーサー・コナン・ドイル東京創元社Amazon深町訳を購入し、読み始めてしまったため…

「緋色の研究」(サンプル)

ドイル、深町眞理子訳「緋色の研究」(サンプル) 11月26日に書いたように、「緋色の研究」は深町訳が読めず、駒月訳で読んだ。その後Amazonからの返金処理も滞りなく済み、ふとサイトを見ると再購入できるようになっている*1。もちろん再購入して読めなけれ…

「四人の署名」

ドイル、深町眞理子訳「四人の署名(新訳版)」(創元推理文庫) ホームズもの第二弾。ようやく深町訳で読める(というほど深町に固執していたわけではないが)。七パーセント溶液で幕を開け、七パーセント溶液で幕を締める物語である。無聊をかこっていたワ…

「小公子」

バーネット、菊池寛訳「小公子」(小學生全集) 昭和2年発行の小学生全集(興文社刊)のスキャン版。こういうものがネットで読めるのは素晴らしい時代になったものだ。さて、過日「小公子」を読んだ際に、セドリックがアメリカを発つ前に、靴磨きのディック…

「緋色の研究」

ドイル、駒月雅子訳「緋色の研究 新訳版」(角川文庫) この本を読み始めるまでには紆余曲折あった。先日、子供向けのホームズものを読んで、普通に訳されたものをちゃんと読んでみたいという欲がわいたが、はて、だれが訳したものにしようか。昔懐かしの延…

「小公子」

バーネット、奈街三郎訳「小公子」(少年少女世界の文学) 子供の頃に読んだことがあったが、どんな話かすっかり忘れていた。実に面白かった。セドリックは母親と二人、アメリカつましく暮らしている、親切で心優しい少年。ある日、絶縁していたはずの祖父か…

「少年少女世界の文学 名探偵ホームズ」

ドイル、梶竜雄訳「名探偵ホームズ」(少年少女世界の文学) 「あしながおじさん」があまり面白くなかったため、次は確実に面白いと思える作品を読もうと思い、ホームズものにしてみた。ホームズものは、もちろんよーーーーく知っており、どんな風に訳されて…

「あしながおじさん」

ウェブスター、森いたる訳「あしながおじさん」(少年少女世界の文学) たまたま知人と「あしながおじさん」の話題になり、タイトルと、おおよその話(貧しい少女がある篤志家の援助により上級学校へ進むことができるが、その篤志家は匿名だったため、彼女は…

「アイネクライネナハトムジーク」

伊坂幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」 映画の感想がまだ書けていないのだが、映画を見て原作の小説があると知り、興味を持って購入した。実は、映画がイマイチだったけど、原作はきっと面白いんじゃないかと期待したのだ。それで、率直に言うと、映画…

「引越し大名の笑い」

杉本苑子「引っ越し大名の笑い」(講談社文庫) 映画「引っ越し大名」を見て、松平直矩という人物を知った。脚本を担当した土橋章宏の「引っ越し大名三千里」のほかに松平直矩について書いた小説があるというので購入してみた。てっきり長編小説かと思ってい…

映画の詳しい解説本「超高速! 参勤交代」

土橋章宏「超高速! 参勤交代」(講談社文庫) 小説が原作でそれを映画化したのではなく、もともとは脚本で、それを同じ作者が小説化したのが本書である。映画は面白かったけれどモヤモヤするところがあったため、読んでみようと思って買ってきた。別ブログ…

なんという設定「ガーディアン」

石持浅海「ガーディアン」(光文社文庫) ガーディアン (光文社文庫)作者:石持 浅海光文社Amazon半年近く前の話だ。何を書こうと思ったのか、もう覚えていない。(2015/10/23 記)

探偵は幽霊だった「煙とサクランボ」

松尾由美「煙とサクランボ」(光文社文庫、ま12-6) 松尾由美は一貫して超常現象というのか、異次元の世界というか、そのような世界を舞台にしたミステリーを描き続けている。この場合、まず異世界の「ルール」を綿密に設計し、それを物語の冒頭でわかりやす…

病み付きになる面白さ「謎解きはディナーのあとで3」

東川篤哉「謎解きはディナーのあとで3」(小学館文庫、ひ11 3) 謎解きはディナーのあとで 3 (小学館文庫)作者:東川 篤哉小学館Amazon購入後、かなり長い間積ん読状態だったが、ようやく読み切った。好きなシリーズだが、なぜかすぐに読む気になれなかったの…

まあ面白いのだが……「嘘から病」

花岡美紀「嘘から病」(心底ブックス) 嘘から病作者: 花岡美紀出版社/メーカー: 心底ブックス発売日: 2014/11/15メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る前回、「お気に召すまま」が気に入ったため、同じ作者の別作品を購入してみた。まあ、面…

掘り出し物発見「お気に召すまま」

花岡美紀「お気に召すまま」(心底ブックス) お気に召すまま作者: 花岡美紀出版社/メーカー: 心底ブックス発売日: 2015/01/28メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見るAmazonで特価で販売していたため、聞いたことのない作家だったが、興味を持…

まだ続いていたのか「ショートショートの花束」6

阿刀田高・編「ショートショートの花束」6(講談社文庫) アマチュアの投稿作によるショートショート選集。もともとは星新一が選者を務めたショートショート・コンテストとして始まり、募集形体や発表の掲載誌は何度か変わったが、現在は「小説現代」(月刊…

ユーモア時代劇の佳作「善人長屋」

西條奈加、「善人長屋」(新潮社) 善人長屋(新潮文庫)作者:西條 奈加新潮社Amazon善人長屋 (新潮文庫)作者:西條 奈加新潮社Amazon西條奈加の本はこれまで「金春屋ゴメス」「異人村阿片奇譚 金春屋ゴメス」「烏金」「恋細工」「はむ・はたる」と読んできた…

「思い出のマーニー」

ジョーン・G・ロビンソン、高見浩訳、「思い出のマーニー」(When Marnie Was There)新潮文庫 映画を観て感動したため、原作に興味を持ち、購入。複数の出版社から出版されているが、新潮文庫で出ている場合はそれを最優先させるマイ・ルールがあるため、高…

「幽霊が返した借金」

翔田寛、「幽霊が返した借金」(PHP文芸文庫) 初めて見る作者名だが、本を手に取って読みやすそうなので入手。実際読みやすく、面白かった。時代劇ミステリー。副題が「おでん屋こはる事件帖」となっている通り、江戸のおでん屋で働く「こはる」という女が…

「探偵が腕貫を外すとき 腕貫探偵、巡回中」

西澤保彦、「探偵が腕貫を外すとき 腕貫探偵、巡回中」(実業之日本社) 西澤保彦の作品は多過ぎて、とてもそのすべては追い切れないが、腕貫探偵シリーズは必ず読むことにしている。 いわゆる安楽椅子探偵もののミステリー 短編集(シリーズの中には長編も…

いわさきちひろの遺作「赤い蝋燭と人魚」

小川未明作、いわさきちひろ絵、「赤い蝋燭と人魚」(童心社) 1975年刊。既に小川未明は故人だったが、いわさきちひろのイラストで新たに絵本が作成されることになった。が……その作成途中でいわさきちひろが亡くなり、本作には完成された絵だけでなく、ラフ…

学ばない探偵たちの学園

東川篤哉「学ばない探偵たちの学園」(光文社文庫) これはイマイチだったかな。学校の中で人が殺されたら、もっとショックを受けると思うのだ。鵜飼杜夫のようなスレッカラシが人が死んでも気にも留めないというのはわかるが、教師や高校生が冷静に謎を解こ…