鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

ため息の出る名作「海街Diary」1

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

  • 作者:吉田 秋生
  • 発売日: 2007/04/26
  • メディア: コミック

フラワーコミックスというのはわかっていたので、何軒か書店を探したのだが見つからない。これだけ話題になっているのに……? と思ったら、普通のフラワーコミックスは「fc」なのだが、これはなぜか「fs」となっていてシリーズが違う。昨日見つけた書店では、少女漫画ではなくレディースコミックの書棚にあった。そりゃ見つかんねっての。

で、アレですね、ひとこと言うなら、「なんでこの作品が直木賞を取れないんだ!!」

別の芸術ジャンルの賞をもってきても仕方がないので、レコード大賞だって取れないし、アカデミー賞も取れないわけだが、小説と漫画は表現手段としてはとても似ている気がするのだ。本であること、読者が自分のペースでページをめくれること、そして得られる感動の質も似ているような……。コメディもあればドタバタもあり、純文学もある。そうした意味で、これまで小説のみが対象だった賞の選考に漫画が入ってきてもいい、と思うことはある。

まあ、直木賞は本来は新人賞だから、今更なんだが。そういえば、「カリフォルニア物語」を読んだ時も、これ直木賞にノミネートされないの? と思ったような気がする。

シリアスとギャグの組合せ、コマ割り、絵柄、そのすべてが名人芸の域に達している。もちろん話の中身自体が面白いのだが。

僕はこの作品を、「『海街diary 』を絶賛する」漫棚通信ブログ版、2010/02/12)を見て知った。漫棚通信さん、素晴らしい作品を教えてくださってありがとう。

(別ブログより転載/original : 2010-02-23)