- 作者:島本 和彦
- 発売日: 2008/02/05
- メディア: コミック
島本和彦がどういう芸風の漫画家なのか、まるで知らないわけではないが、まともに作品を読んだことはなかった。が、書店で見かけ、つい買ってしまった。それは、帯に次のようなコピーが記されていたからだ。
あだち充氏 高橋留美子氏 激怒!?
「放課後、体育館ウラにおいで。」(あだち充)
「ショックです。そんな目で見られていたなんて。」(高橋留美子)
こりゃいったい何が書いてあるのか、と思わずにはいられない。それほどキャッチーだ。コピーとして非常に優れているといえる。しかし、それはつまりあだち充と高橋留美子のネームバリューに支えられているわけであり、コピーそのものの力ではない。あだち充と高橋留美子のことを知らない人が見たら、何も感じないだろう。
とはいえ、それぞれの台詞は結構お二方のキャラクターをよく表わしている。やはりうまいと思う。少なくとも島本和彦を知らない僕にこの本を買わせてしまう程度には。
話はフツーに面白かった。
内容は、作者の大学時代を基にした自伝的物語。主人公が少年サンデーを読んで掲載されているあだち充や高橋留美子の漫画についてあれこれ勝手なことを言う場面が出てくる。それであの帯コピーができたのだろう。(が、主人公はこのふたりのファンだという設定になっており、目くじらを立てるようなものではない。)
庵野秀明(大学時代の先輩らしい)が作った映画と、それを観た主人公が悔しがる場面がとても受けた。
(別ブログより転載/original : 2008-03-08)