鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

ダムの必要性を考える

八ッ場ダムはどうするのが良いのか、調べているうちに下記のページを見つけた。

非常に論理的でわかりやすく、納得がいくものに思えた。そこに本書へのリンクがあったため、注文して購入。

正直なところ、このようなオベンキョーの本を読むのは(仕事関係を除いて)久しぶりであり、かなり歯ごたえがあって時間がかかった。が、飛ばし読みはしたくないと思い、二週間くらいかけて読んだ。

本書の内容をひとことで要約することは無理だが、常に「バランス」を主張する著者の論点は、リーズナブルであると感じた。たとえば、水道水に発がん性物質は含まれない方がいい。それは当たり前だ。が、ある基準値を決めてそれ以下でよしとするのではなく、限りなくゼロにすることを要求すると、莫大な費用が発生するとか、使える水量が限られるとか、他の化学物質が混入する可能性が高くなるとか、際限なく環境を破壊する=未来にツケを残すことになるとかいう問題が発生するとしたら、それでも発がん性物質をゼロにしろとはいえないのではないか、ということ。

また、事実を追求したい学者と責任を取りたくない役所との攻防も、興味深い。あまり楽しい話題ではないが、実際そういうこともあるのだろうなと思う。

(別ブログより転載/original : 2009-10-19)