鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

痛恨の赤川本

赤川次郎の著作は多い(2008年に500作を超えた)。当然、シリーズ化された作品も多い。著名な三毛猫ホームズシリーズのほか、三姉妹探偵団、大貫警部、そしてこの幽霊シリーズなどだ。もともとオール讀物推理小説新人賞を受賞(1976年)した「幽霊列車」から始まったわけで、最も古いシリーズということになる。本作はシリーズ10冊目。1996年の刊だから「幽霊列車」から20年経つことになるが、永井夕子はいまだにピチピチの女子大生のままである。もっとも物語の中で20年が過ぎても、夕子はきれいで溌剌としているに違いないが、宇部警部はどうであろう。警察を定年退職したあとは、夕子と二人で探偵事務所でも開設するだろうか。

赤川次郎は僕の高校時代に一回ブームがあり(周囲では片岡義男赤川次郎か、などといわれていた)、大学時代に「セーラー服と機関銃」が薬師丸ひろ子主演で映画化されブレイクした。が、当時は全く興味がなく、手に取ってみたことさえなかった。

初めて読んだのは「一億円もらったら」(新潮文庫)だった。出先で読む本がなくなり、仕方なくキオスクに新刊で売っていたこの本を「暇つぶしにはなるだろう」と思って買ったところが嵌まってしまう。2000年の刊だから以来10年である。所有する赤川の著作は70冊を超える。

困るのは、作品が多過ぎて、何を持っていて何を持っていないのかわからなくなることだ。そこで基本的に新潮文庫と文春文庫しか買わないこと、原則として刊行順(文庫本の番号順)に買うこと、とした。これならそうそう間違えることはないだろう。

と思って買ってきたが、途中まで読んで「ぬぬ、この謎はわかるぞ」。あわてて調べたら3年前に買って持っていた。とりあえず最後まで読みましたが。

幽霊社員 (文春文庫)

幽霊社員 (文春文庫)