鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

作品の並べ方に不満

一般応募から阿刀田高が選ぶ「寄せられた体験シリーズ」も本書で10冊目となる。このシリーズは新刊が出ると買うことにしている。「体験」となっているが、フィクションを許容されている。大事なのは話のおもしろさ、語り口(文章力)などで、なんのことはない、テーマを絞ったショート・ショート集のようなものだ。

阿刀田高選のショート・ショート集というと、講談社の「ショート・ショートの花束」が思い浮かぶが、こちらはSFちっくで明るい作品が多い。「寄せられた体験シリーズ」は全く様相が違い、好対照を成している。素人の作品なので、玉石混淆ではあるが、初期に比べると今は十分に読ませるレベルになっていると思う。

しかし、最優秀作がトップにきて、次に優秀作が並び、その後に佳作が並ぶという配列はいかがなものだろうか。読んでいるうちにどんどんレベルが下がっていくのが実感されてしまうのである。読後感が悪い。優秀作は10編もあるので、半分を後半に配置するとかできないものだろうか。