鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

こういう夫婦があっていい

奥田英朗は「イン・ザ・プール」で嵌まった。立て続けに「空中ブランコ」「町長選挙」の伊良部シリーズですっかり毒気に当てられ、「東京物語」で完全にやられた。というわけで今は過去の作品を順に読んでいるところ。

短編集。雰囲気としては「マドンナ」「ガール」なんかに似ている系統だ。6編とも、夫婦の話である。夫に構ってもらえず出入りの業者(若い男の子)に色目を使う妻や、別居中の夫婦の話なども出てくるが、基本的にここに登場する夫婦は仲がいい。時々どちらかがとんでもないことをしたりするが、破綻せずに話がまとまっている。読後感がいい。

特に「家においでよ」が好きかな。夫に嫌気がさして家を出ていった妻が、夫の一人暮らししている姿を垣間見て惚れ直す話。どこがとはいわないが、わが身を省みてドキっとするところあり(笑)。

家日和 (集英社文庫)

家日和 (集英社文庫)

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