晩年の作品なので、あまり期待しないで購入したのだが、変な言い方だが、案外面白かった。
単行本は2003年1月刊。短編が三編収録されているが、うち一編は1992年か1993年に書いたもの。他の二遍も同時期だろう。あとがき(2002年)では「二年前から腰痛がひどくなり、しがない雑文も一、二枚書くと痛くてしばらく休まないとあとが続かない」と書き、もう仕事は無理だと続けている。この時点で75歳であったから、致し方ないところか。
亡くなられたのは2011年だから、最晩年というほどではないが、作品リストの最後の方に連なる著作と思われる。まだ未文庫の作品があるなら、早く文庫化してほしい。
- 作者: 北杜夫
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2013/10/04
- メディア: 文庫
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