鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

いわさきちひろの遺作「赤い蝋燭と人魚」

1975年刊。既に小川未明は故人だったが、いわさきちひろのイラストで新たに絵本が作成されることになった。が……その作成途中でいわさきちひろが亡くなり、本作には完成された絵だけでなく、ラフスケッチも多数収められている。

が、確かにラフはラフなのだが、不思議と未完の印象は受けない。意図的に簡素な絵にしたのだと言われれば信じてしまいそうである。表情に揺るぎがないからだ。

赤い蝋燭と人魚 (若い人の絵本)

赤い蝋燭と人魚 (若い人の絵本)