初めて見る作者名だが、本を手に取って読みやすそうなので入手。実際読みやすく、面白かった。
時代劇ミステリー。副題が「おでん屋こはる事件帖」となっている通り、江戸のおでん屋で働く「こはる」という女が、同心や岡っ引きらの解決できない難事件をズバリ解決していくという話。
人様の家庭の内情などにも首を突っ込むことになる割に、捜査状況を逐一、母親や職場の同僚にペラペラしゃべってしまうのは、探偵役として少々いただけないが、協力関係にある同心や岡っ引きの親分らの人情味あふれる性格設定もあり、楽しめる。シリーズものなのだろう。ぜひ続編が読みたいものだ。
そうそう、一箇所だけ。こはるが「とんでもございません」と言うシーンがある(第二話、110ページ)。「とんでもない」を丁寧なつもりで「とんでもありません」「とんでもございません」としてしまうのは、現代における誤用であり、江戸時代にはなかったはず。こはるがいうのは変である。*1
- 作者: 翔田寛
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2014/01/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る