- 作者: 東村アキコ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/03/25
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (20件) を見る
これまでも、東村アキコの(現時点での)最高傑作だ、漫画史に残る傑作だと言い続けて来たが、その気持ちは今でも変わらない。朝買って、行きの(通勤の)電車の中で人目もはばからず泣いてしまい、帰りの電車の中で読み返してまた泣いた。泣いたから傑作というわけではなく、ところどころにかましてあるギャグが強烈でそれが奇才・東村アキコの面目躍如なんだけど、でもやっぱり泣ける。
Amazonのレビューを見ても、多くの人が軒並み最高点を与えている。僕も同意と言いたいが、敢えて辛口でコメントする。話は素晴らしいが、絵はもう少していねいに描いてほしかった。とても日高先生の教えが生きているとは思えない。時々、気合を入れて描いたっぽい絵はやはりうまく、さすがだと思うが、全体としては短時間で大急ぎで描いた印象を拭えない。単に絵が雑だというだけでなく、コピーの切り貼りが多過ぎて興を削ぐ。
作中でも、漫画はファインアートと違って「1ページに何回も同じ顔を描いて 背景を描いて(略)地道に描いて白い画面を埋めていくしかないと」と書いているのに、実はコピーを貼っているだけで地道に描いていません、ではちょっと……ではないか。
あと、これは東村アキコの責任ではないかも知れないが、kindle版が同時発売されないことに怒りを覚えている。「宇宙兄弟」のように、人気漫画でちゃんと同時に発売されているものもあるのだから、やればできることであり、またやるべきことなのだ。まあ、これについては稿を改めよう。
(2015/4/8 記)