1976~77年の作品。梶原一騎による貴重なSFファンタジー・アクション・ヒーローもの。桑田次郎とのコンビ作品も、恐らくこの一作のみ。内容のトンデモぶりが一部マニアの間で話題になっており、機会があれば一度読んでみたいとは思っていた。実物を(Amazonで)見て、すぐに大人買いをしてしまった。
死んだ主人公が超人として生き返り、悪と戦うという設定は(桑田次郎のヒット作)「8マン」を彷彿させるが、悪人の脳髄を移植されて悪の組織のために働くようになるが、矢代里奈のバイオリンを聴くと善の心を取り戻し……というあたりは「人造人間キカイダー」だなと思う。そもそも人間に改造を施して超人にし、悪の組織と戦う先鋒とする、というのは「サイボーグ009」に始まり数限りないエピゴーネンを生み出しているわけで、ある程度類型的になるのはやむを得ない。古式に則っているということだ。
そんな中でも、いかにも梶原一騎だなと思わせたのは二点ある。
- 主人公が空手の達人であること。初期にはジャイアント馬場やジャンボ鶴田を彷彿させるレスラーも登場し、空手対プロレスの試合も出てくる
- ナチによる拷問シーンの残虐さが度を越していること。梶原一騎作品を読み込んでいて、「カラテ地獄変」のような、それこそ偏執的・変態的拷問シーンがしばしば出てくる作品を知っている自分としては、たいして驚きはしないが、よく少年サンデーで掲載されたもの
ほかにも、やたらに理屈っぽいのも梶原一騎的かも知れない。
本作に見どころがあるとすれば、なんといっても桑田次郎の絵だろう。ゴッドアームが戦うシーンは実にカッコいい。また、リナの顔も、時代を考えると相当な美人である。
ストーリーは、言及すまい。突っ込みどころ満載というか、突っ込む気力すらなくなるほど、破綻している。まあ、その分短く終わって良かったともいえる。

- 作者: 桑田次郎,梶原一騎
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(2019/9/25 記)