- ゆむい作、「夫の扶養からぬけだしたい」
Webでやたらに広告が出て来て、気になるのでつい買ってしまった。
夫婦の役割分担というのは本当に難しいと思う。自分の家でも苦労しているし、まして他人の家庭に「こうすべき」などということは言えない。「夫婦二人で話し合って決めればいい」といってもそれで簡単に決まらないから苦労するわけで、それは二人の問題であって二人の問題ではないからだろう。
一般に、男と女では、同程度の能力があっても同程度の収入を得ることは難しい。夫婦で収入に差がある場合、家計費を折半するのは平等だといえるか? もし負担額に差がある場合、それに応じて家事・育児の分担にも差をつけることは公平だといえるか?
「あなたの方が先に帰ってきたんだったら、ゲームばっかりしてないで、ご飯を炊くくらいしてよ!」
「家計費はほとんどボクが負担しているんだから、料理の支度くらいキミがやれよ!」
また、家事や育児は女性がするもの、という刷り込みが、社会全体で明に暗になされる。そのため、どんなに仕事が忙しくても、あるいは病気であっても、家事・育児を私がやらないと、と思ってしまう女性がおり、どんなに妻の仕事が忙しくても、あるいは病気であっても、家事・育児は妻の担当であって自分はやる必要がない、と思い込んでいる男性がいる。
世の中の大部分は「家事・育児は女性がするもの」という前提で構築されているから、それに乗っかった方が楽なのも事実。だから、このような考え方をする人の意識を変えるのは容易ではない。
本作では、妻の側が徐々に自立していくところは興味深いが、その結果が「離婚」というのは寂しい。
- 作者: ゆむい
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/02/07
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(2019/9/26 記)