鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「JJM 女子柔道部物語」7

前半のハイライトは神楽えもと三好千歌の準決勝戦。ネタバレになるが、大方の予想通り、えもは積極的な攻勢に出て圧勝する。決め技は巴投げだが、(三好の恩師である)九戸かおり直伝の両足で蹴上げる九戸スペシャルで、九戸かおりの教え子に勝ったというところが泣かせる(作中の誰もこのことを指摘していないのが不満である)。

因縁の試合に勝ち、いよいよ盛り上がるところだが、決勝戦では負けた。

本作は、創作といいつつ、原作者の恵本裕子のほぼ自叙伝になっているようだ。恐らく恵本自身が二年生の時の総体では優勝できず、それをなぞったのだろう。しかし、漫画としては、ようやくえもが覚醒したのだから、ここで一気に盛り上がらないと面白くない。恵本はともかく、えもには勝たせるべきだった。この年はまだ女子柔道は高校総体の正式種目にはなっていないから、優勝しても全国大会はない。たとえ勝っても試合は終わりではあるのだが、強豪校から練習試合を申し込まれ、これに勝つとか、いろいろできたのではないか。

合同合宿が始まるところで本巻は終わる。ここでの九戸かおりの女王様ぶりは面白いが、この後に描かれるであろう合宿風景は、別段、待ち切れないということはない。


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(2019/11/18 記)