表紙に大きく(あまり似ていない)ラムちゃんが描かれていたため、今回は一本木蛮フィーチャーか? と思ったら、これは札幌雪まつりのことだった。
本巻では、ホノオは札幌でかなりいい思いをする。美人で絵がうまくてホノオのことを敬愛する尾東君子さんと延々とイチャコラしているのだ。いや、あくまでアシスタントとして接しているだけで、イチャコラではないのかも知れないが。美人と一緒に過ごせて嬉しい、でも勘違いをしてはいけないと自分に言い聞かせ、彼女の方がちょっと積極的になるとむしろ引いてしまう。せっかく二人で雪まつりに行ったのに、接吻どころか手も握らない。このあたりのホノオはまさに寅さんだ。
しかし、ホノオはじぶんをひたすら卑下し、仲間(本巻では山賀)の成功譚を過大評価して落ち込むことを繰り返しているが、小学館から、月間連載に加えて週刊連載(短期集中連載だが、原作なし)を任されるほどなのだから、相当なものだと思う。
実際、自分は「風の戦士ダン」という作品を知らなくて、「アオイホノオ」での進行に合わせて単行本を買って読んでいるが、確かに言われてみれば「ギャグに逃げている」のも事実だが、これだけの絵が描けるのは相当な力量だと思う。女性キャラなどは、線がシンプルで当時の方がむしろ可愛いともいえる。
頑張れホノオ! お前は自分が思っているよりはるかに才能があるぞ!!
(2020/1/10 記)