- ナガテユカ「ギフト±」2
1巻での環は強い人間である。凶悪犯罪者を向こうにまわして失神させ、拉致し、臓器を抜き取る。その良し悪しは別にして、肉体的にも精神的にも相当にタフでないとこんな真似はできない。
一方、本巻における環は驚くほど弱い。クラスメートに援助交際を含む女子高生ビジネスの取りまとめをしている人(アイ)がいて、もちろん組織がバックにありアイもその使い走りに過ぎないのだが、彼女の言動はどうみたって怪しいのに、彼女にアルバイトの協力を持ちかけられるとのこのこと付いていってしまう。いざとなったら自分の身は守れるつもりだったのかも知れないが、案の定、薬を飲まされ昏睡させられてしまう……。修羅場をくぐってきているのかも知れないが、まだ高校生。その精神は幼いのだ。
アイを使うリョウは女子高生ビジネスだけでなく臓器売買にも手を伸ばし、環の組織と対立するようになる。
探偵の名前は阿藤。
(2020/1/24 記)