- 佐藤秀峰「stand by me 描クえもん」1
自分に漫画家としての才能があるのかないのか迷い、不安と格闘しつつ、アシスタントで口に糊し、必死で投稿作品を仕上げ、……ようやく作品が雑誌に掲載されてからはとんとん拍子に連載が決まって……
未来から来た自分が将来のことをアドバイスする(若い時分にとっては嬉しいアドバイスではないが)というのは、タイトルからしても某有名漫画のパロディだが、最初は面白かった。
漫画を連載するようになってからは、いわば漫画家版の女工哀史だ。理不尽な環境で漫画家が搾取されていることに対する批判というか、実生活の(特に出版社との付き合いにおける)愚痴というか、これまで作者が本やブログなどで述べてきたことを、改めて漫画で描いているという内容である。
これが事実ならひどい話だと思うし、言っていることは正しいとは思うが、それは漫画としての面白さとは別の次元。僕は論文が読みたいのではなく漫画が読みたいのだ。漫画作品としては暗いし、正直、あまり面白くない。
買う時は続けて2巻も買うつもりだったが、どうしよう。多分もう買わないんじゃないかな。
(2020/2/14 記)