鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「四角いジャングル」はちょっと語らせてもらいたい(その5)

本作を久しぶりに読み返して、思わず笑ってしまったシーンが何ヵ所もあった。

「1・2の三四郎」といえば小林まことのデビュー作で、往年の大人気漫画である。主人公の三四郎は高校卒業後はプロレスラーを志し、続編である「1・2の三四郎2」や「格闘探偵団」では最強のレスラーということになっているから、三四郎=プロレスラー、と認知している人も多いと思うが、もともとの「1・2の三四郎」は学園コメディであり、三四郎ラグビーの選手であった。それはともかく、ラグビー時代の「1・2の三四郎」は、同時期に連載していた「四角いジャングル」のパロディが頻繁に登場する。その、三四郎にパロられた元ネタの部分を今読み返すと、ギャグとしか思えなくなってくるわけである。

「1・2の三四郎」は同じ雑誌に連載されている他の漫画のパロディも盛んに描かれていたが、「四角いジャングル」ネタが一番多かったように思う。

あの頃は、みんなで熱狂したよなあ、としみじみ思う。その渦中にいた人間は、いつ本作を読み返してもその思いが蘇ってくるだろうが、当時を知らない人が読んでも「なんじゃこりゃ」としか思わないだろうなあ、とも思うのである。


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(2020/4/8 記)