鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「石井あゆみ短編集」

石井あゆみの初期短編集。雑誌未掲載の投稿作もあり、「信長協奏曲」のルーツを探りたい人や石井あゆみの大ファンな人にとっては必読の書ということになろう。

しかし、面白くないわけではないが、絵も、話のまとめ方も、いかにも稚拙。「信長協奏曲」が漫画史に残る傑作であることと比べると、正直に言えば、習作の域を出ないものがほとんどだ。

とても不思議なのだが、このレベルの作品しか描けない人がいきなり「信長協奏曲」のような大河長編に挑み、あそこまでの名作を描いてしまうのは、どういう力が働いてのことなのだろうか。


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(2020/4/14 記)