鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「1・2の三四郎」4(パロディ解説)

解説はラグビー編だけにしようと思っていたが、試合が佳境に入ってパロディネタもプロレスネタもなくなり、そのまま終わってしまったので、4巻の最後まで拾ってみる。しかし、柔道編に入っても、以前ほどには細かいパロディはない。

p28. 道場の壁に落書きが増えている。

p44. 間違って乗ろうとしたバスに歳を取った圭ちゃんがいる。話しかけているのは勇介であろう。山葉圭・田代勇介は「翔んだカップル」のキャラクター。2巻で登場した「圭ちゃん」とは別人。

p46. 車掌の北島与作子の名は、歌手・北島三郎とそのヒット曲「与作」から取ったもの。さすがにこれは解説不要か……

p70. 小林くん小野くん大和田くんは、小林まこと、「純のスマッシュ」を連載中の小野新二、「タフネス大地」を連載中の大和田夏希である。この三人は新人同期で、非常に仲が良く、「三バカトリオ」と呼ばれていたそうである。

p113. 下段のコマで虎吉の後ろに描かれている時計台に「KITAGAMI MAKOTO」と書かれている。これは、当時小林まことが月刊マガジンに連載ていた「シロマダラ」の主人公、北上良のことではないか。だから僕は、北上良は「きたがみまこと」と読むのだとずっと思っていた。しかし後日「シロマダラ」の単行本を購入して確認すると、「きたがみりょう」となっていた。ではこれは、「KITAGAMI」が北上良で「MAKOTO」が小林まことなのか、それとも別のネタ元があるのか……

p142. 列車の脇で「打倒猪木」と書かれた服を着て稽古をしている空手家? と剣道家? がいる。誰か元ネタがあるのか不明。この頃になると小林まことはアシスタントを使うようになっていて、恐らくこのコマはすべて小林自身が書いたものではないだろう(だからこの二人が空中に浮いているような構図になっている)。

p160. 真ん中のコマの「山下」は山下泰裕(ロス五輪金メダリスト・現JOC会長)であろう。ただし小林まことが描いたわけではないと思われる。「辰ちゃん」は藤波辰爾か?

p163. 映画「血染めの唐獅子チューリップ」は「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」(主演・高倉健)から。「欲情 大地の目玉」の「大地」は「タフネス大地」から取ったものか? 「愛と誠さん」はもちろん「愛と誠」から。


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(2020/4/25 記)