鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「1・2の三四郎2」5

昨日付で、ストーリーをかんたんにまとめてみた。まとめ過ぎて、本間 ほたる、河口、こんぴらプロレスの丸亀には言及しなかった。ともかく、メリハリはあるが、シンプルなストーリーである。前作のプロレス編で話が膨らみ過ぎたことをこのブログで批判したが、それは作者もよくわかっているようだ。

本作には、三四郎の父も、母も、妹も出て来ない。前作のファンとしては、両親はともかく、妹がどうなったのかは気になるところではあるが、それをバッサリ省いたのは正解だ。それどころか、姉の幸子も出て来ない。赤城との試合に工藤先生と二人で見にいているのはチラと描かれたが、それだけである*1。それでよいのだ。

馬之助、成海も三四郎とともにレスラーに復帰する。が、本作では完全に脇役扱いである。前作から、この二人のファンにとっては物足りないだろうが、これでいいんだと思う。

新キャラの河口だが、「柔道部物語」で岡というキャラクターが非常に使い勝手がよく、話の進行に欠かせないということを身に染みて感じ、意図的に作った人物なのではないかと邪推している。つまり、プロレス博士で新東プロ時代の三四郎、五頭、柳について精通しているのみならず、その後の行動についても把握しているため、作者が読者に事情を説明したい時に、誰かが河口に質問すればいいからだ。

本間ほたるは、気の強いところは北条志乃を彷彿させる。三四郎はきっとこういうタイプが好きなんだろう。ただし志乃は運動神経に難があったがほたるは運動神経抜群。また志乃は両親から大事に(時に甘やかされて)育ってきたため、悪くいうと世間知らずでわがままなところが少なからずあるが、両親がおらず生活費を自力で稼いでいたほたるは、腹の据わり方が志乃とは決定的に違う。

ドリームチームのアルバイトを首になったあと、復帰するためにレスラーになろうとするあたりの決断力、また学校の成績は悪いというが、五頭を説得するため、五頭が頭のあがらないキャンディ藤原を抱き込むあたり、地頭はずいぶんと良いものと思われる。もっともキャンディ藤原の件は偶然の産物かも知れないが。



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(2020/6/9 記)

*1:前作から9年が経過しているので、恐らく結婚したのだろうと思われるが明言はされていない。二人きりだったから、子どもは生まれていないようである。