鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「感染症医が教える性の話」

先月、ちくま新書ちくまプリマー新書(の一部)が安価で販売されており、何冊か購入したうちの一冊。岩田先生はかねてから感染症医としての専門性のみならず、物事に対する考え方や行動に敬意を払うべき何事かを感じており、SNSでの発言は追いかけていた。が、当たり前だがSNSの発言は断片的でわかりにくい。著作を読んでみたいと思っていた矢先に目についたため。

本書は、中高生に向けて「あにき」が気さくに話しかけているような雰囲気で書かれている。わかりやすいし、とっつきやすい。ただしその内容はレベルが低いわけではなく、むしろ逆だろう。性教育として授業で話す内容を詰め込んだ体を取っているが、その範囲を大幅に超えて、人生論的な内容まで踏み込んでいる。

岩田健太郎という人間が、物事をどのように考えているかがよくわかる。これまで断片的に読んでいた雑誌の記事やSNSでの発言がすべてつながった気がする。ひとつひとつがきちんと筋が通っていて気持ちいい。もちろん岩田先生のいうことがすべて正しいというつもりはない。そこは自分で考えるべきことだ。考えるための非常に重要な材料を提供してくれているということだ。

本書は2017年1月発行で、内容的には時代を感じさせる部分もある。たとえば、感染症は家でじっとしていれば決してうつらないが、それでは意味がないので……みたいに説明されている部分がある。が、いまはstay homeと言われてますよと、そのくらい深刻な事態になっていることを改めて実感したりもした。


漫画・コミックランキング

(2020/6/30 記)