- 裸村「穴殺人」5
これまでもずっと先の読めない展開が続いたが、今度という今度は驚いた。えーっ、そうきちゃうの? じゃあこの先はどうなるの? と驚きと不安を隠せない。
黒須と宮市は、結婚式で着る衣裳を選んだり、指輪を用意したり、親に挨拶したり、結婚の準備に余念がないが、そこへ山際春子を連れたシュナイダー刑事がたどり着く。また榊も黒須を殺すべく二人のところへ向かう……というのが4巻の引きだった。
シュナイダー刑事に、まだなんの証拠もないが、あなたは連続殺人犯ではないかと問い詰められた宮市は、あっさりと認める。そして、あと一人殺したら終わりにするからその後は逮捕するなりお好きにどうぞ、しかし最後の一人を殺すのは邪魔させない、と宣言。シュナイダーらは、証拠も何もないからその場では逮捕できず、引き下がるしかない。
一ヵ月後に結婚式を控えていたけど、どうやらそんな余裕はなさそうだから、今日いますぐ結婚しよう、と廃校に行き、二人だけで結婚式をあげる。そして心と身体がひとつになったところで宮市が黒須を殺す……
それ以降の展開は、筋の紹介を省く。
気持ちを通じ合わせた後は、ようやく身体もつながった。これまではすれ違いも多く(カップルとしては)未熟な二人ではあるが、ここで生涯ただ一度の交合を行なう、という点に関しては、語らずとも気持ちは同じだったようである。
ただ、これまで宮市がセックスを拒んできたのには何か理由があったのかとも思ったが、そういうわけではなかったのか、そのことに関しては何も説明はなかった。23歳の女性が結婚するまでダメと言っているのをおかしいと思う方がおかしいのか?
前にも触れたが本作は意外に硬派で、二人の行為もはっきりとは描かれない。そこは品位を感じた。
さて、このあとの展開はジェットコースターである。まさかあーなってこーなってああなるとは……。ゆっくり一冊ずつ読んでいる場合ではない。続きが気になる。