鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

女同士の意地悪は……「アシガール」8

あらすじ

唯の情報を得て羽木軍は突撃せず高山軍を疲弊させ、成之も無事に忠清の奪還に成功。唯を始め小垣の女子衆は安全のため羽木へ移動、一方忠高は1万の兵を連れて援軍に。陣形が整うと、両軍川を挟んでにらみ合う。ここで高山宗鶴が倒れたとの報が入ったため、忠高は一気に攻め滅ぼそうとするが、忠清は和議を提案する。

和議交渉は忠清、成之で向かう。高山宗熊はこれを承知し和議が成る。宗熊が唯を気にする様子を見、成之は「女子の好みが同じと葉……」と言って笑う。

奥を預かる藤尾は下品な唯に好感を持てず、行儀作法を仕込むためと称し遠方の尼寺へ追いやるつもりでいた。が、唯を案じて急ぎ戻ってきた若君と再会した唯は熱い抱擁をかわし、藤尾の疑惑を吹き飛ばす。「この世界に残る、平成には戻らない」という決意を聞いた忠清は、「では、この忠清の妻になれ」とプロポーズする。

唯と結婚したいという忠清に、忠高は当初は反対するが、妻の意見を入れて容認。ついに婚儀が執り行われることに。それまで唯は天野家で過ごすことになった。吉乃は、まさか殿とお方様がこの婚儀を許すはずがないと考えていたが、こうなったからには唯が忠清の奥方として恥ずかしくない振る舞いができるよう、大急ぎで教育を開始する。

唯は忠清に、結婚しても戦には出ると宣言。それを受けて忠清は、唯を戦に行かせないために、戦のない世をつくらなければいけないと決意する。

雑感

女宮を仕切っていると思われる藤尾は唯に好感を抱かない。こんな女に若君が好意を持つはずがないと思い、厳しく当たる。吉乃の「おおごとと申したはこいういうことじゃ」が笑える。真面目な話にきっちりこのようなコメディをはさんでくるのが森本梢子クオリティ。

忠清の母登場。35歳。若く美人で忠高はいまだにメロメロ。割とリベラルで話が分かるだけでなく、唯と忠清の間になにやら深い絆があることを一目で察するなど、頭の回転も速い。ドラマでは忠高を説得するのは天野信茂だったが、原作ではこの人。ドラマの説得も良かったが、説得されたというより女房に頭が上がらない原作の方が面白い。

それにしても、難解読んでも熟読してしまう。細々としたところまで実に行き届いた話だ。



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