鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ビブリア古書堂の事件手帖」

ふと、文庫本を自分が所持していることに気付いた。映画を見て興味がわいたので購入したのだろう。一度は読んだはずだが記憶にない。ちょっと読み始めたら離れられなくなり、一気に読了した。

連作短編小説だが、全体がひとつの大きな話にもなっているという入れ子構造になっている。加納朋子などが一時期この手法を好んで使っていた印象がある。

映画がBDでリリースされてから、一度レンタルして見ているが、その時、大輔が家の鴨居に頭をぶつけるエピソードがなかったため、不思議に思った覚えがある。あれこそが紛れもない、祖母の不倫の証拠であり、重要なエピソードである。それがなければ単なる空想に過ぎなくなってしまうからだ。で、それは映画にも取り入れられていたと思い込んでいたが、そうではなかった。

もちろん、原作にはある。ということは、DBをレンタルした時点ではこの原作小説は読んでいたということだ。まあでも、各話の謎についてはすっかり忘れていたため、楽しく読めた。忘れっぽいのはミステリーを読む時には得だ。

人物描写は映画や漫画の方がどうしても強いが、古書の解説は、やはり小説に限る。



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