鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「家政夫のナギサさん」9

内容

ナギサから女性として意識していると言われたメイは、じゃあ結婚しましょうと答え、ナギサも受諾する。が、メイは、ナギサが好きなのは間違いないが、結婚相手としてなのかわからない、と妹ユイに愚痴る。ユイは、思ったより幼女だったわ……とあきれながらも、「私と会ってる場合じゃないよ、さっさと帰ってムダ毛処理しな!」とけしかけると、「ムダ毛処理が……必要なシーンって……果たして来るんですか……」と青ざめて呟く始末。

ナギサが家にやってきたら、メイはテンパって、何も考えられなくなってしまう……

雑感

ドラマでは、薫にけしかけられたからではあっても、メイは一応婚活をしていて、薫から活動報告(?)を受けたり、マッチングアプリに登録したりもしていたにも関わらず、結婚生活に対してなんのイメージも持っていなかったから、その無計画ぶりにはあきれていた。いったいこの女のどこが「仕事ができる」のか? と……

原作ではもともと結婚なんて全然考えてなくて、ナギサがぐっと寄ってきたから、咄嗟に「この先の人生でこれ以上の人は現われない、絶対に逃がすな!」と思って「結婚しましょう」と言ってしまっただけ。だから結婚することや結婚生活に関しては何も考えていなかった、というのはわかる。この展開はリーズナブルで説得力がある。

結婚は、これから先の人生のエクスクルーシブ(排他的)なパートナー契約みたいなものだから、逃がしたくないからという理由で結婚を決意するのはありだと思う。ただ、いくら二人ともいい年齢だからといって、いきなり一緒に暮らすというのは漫画的である。結婚を前提としてお付き合いをしましょう、まずはデートから始めましょう、そして手を握って、キスをして、……ということをゆっくり進めればよかったのではないか、とは思う。その時に、人間としては信頼できるし尊敬もするが、性愛の対象としては合わない、と思えば、そこで引き返せばよいのだ。

これはドラマの感想でも書いたけど、いずれにしても、結婚生活(生活費や家事の分担、子の有無や親の問題など)について、具体的に話し合うことなしに一緒に暮らし始めるというのは、自分の中ではあり得ない。そこは納得しかねるが、勢いでそうなってしまったということか。それでは、こと男女関係にはウブで経験の浅いメイがテンパるのは当然といえよう。


漫画・コミックランキング