鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「プレイボール2」10

川北戦は(苦戦はしたが)谷口のサイクルヒット、また井口の見事なリリーフなどもあり、勝利。そして準決勝の相手は因縁の谷原だが、倉橋のタイムリーで先制……

絵柄はちばあきおに寄せているが、そこかしこにコージィ城倉らしさが見え隠れする。

もともと谷口は、猛練習につぐ猛練習でナインを鍛え、公立学校の平凡な野球部を強豪チームに育て上げてきた。ちばあきおの描く野球では、練習すればするほど強くなることになっていた。が、疲れが残ってはいいプレイができない。川北戦の前日も、対川北を想定した特訓を深夜までやったため、試合当日は疲れ切っていて、身体に切れがなかった。それが苦戦したひとつの理由になっている。本作では、練習のし過ぎは却ってよくない、休養も練習のうちだよということをコージィが暗に訴えているように思える。

また、谷原戦では、谷口をトップナッターにするという奇襲に出た。倉橋が提案したもので、出塁率の高い順に打順を並べた方が得点できる可能性が高くなるのではというのだが、これは「おれがキャプテン」の霧隠、井慈田、蝦名の「朋王三連星」を彷彿させる。

なにしろ元作品が描かれてから50年くらい経つわけで、練習方法も作戦も、当時とは様々な点が変わっている。時代設定は古いまま(ピンクレディーが現役)だが、新しい野球との融合はこの作品の面白さのひとつだ。

一方、キャッチャーの構えをランナーがバッターに伝えるのは現在は禁止されているが、作品中では堂々と行われている。またバッターのカウントも、ストライクが先。2-0は2ストライク・ノーボールのこと。現在はボールを先行でカウントするが。このあたりは「時代劇」なのだ。


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