アナコンダ vs ヒクイドリ、サイ vs ライオン、水牛 vs ゴリラなどは、噛み合わない組み合わせをいかに噛み合わせるか、という点が作者の腕の見せ所だったのではと思うが、前巻から引っ張っている狼 vs 土佐闘犬というのは、噛み合い過ぎて、どちらが強いのか、ある意味一番気になる組み合わせではないか。
ある見方ではこちら、別の見方ではこちらと、どちらの強さも説得力がある(同時に、決め手に欠ける)。試合も二転三転して予断を許さない。話の展開がうまいと思う。それにしても勝負の行方がこうなるとは……
また、司会に呼ばれて登場した時は、読者にとっては初対面の、どこかの馬の骨でしかないが、戦いの場面と並行して生い立ちなどが語られ、試合が終わるころに、かけがえのないキャラに育っているところもうまい。
第四巻は、次の対戦が描かれる。