- あずみきし「死役所」2(新潮社バンチコミックス)
シ村のへらへらした態度が微妙にムカついていて、一巻だけでいいかなともチラと思ったのだが、一巻最後のあの表情に惹かれたので、もう一巻読んでみることにするが、最初の話(第6条、第7条)がすごくよかった。
とある人気作家の作品を原作に得て連載を始めた漫画家の話。原作者は少々変わっており、仲違いしたら大変なことになるとの編集者の判断で、一度も顔合わせをすることなく付き合いが続くが、渡す原作と仕上がった漫画作品で二人が濃い会話を行なっており、漫画家が死んだときに彼のことを本当に理解していたのは原作者だけだった。
刺さった。こういう話を読みたかった。ずっとうだつの上がらなかった漫画家が原作付きで人気が出て、ありがたいけど本当は原作なしのオリジナルで勝負したいと悩んだり、どうしてこんな(わくわくする)話を思いつくのか、自分には無理だと絶望したり、原作者の真似をして物語を作る練習をしてみたり、と苦悩するところがリアルだ。
新たな死役所職員・ハヤシ君登場。軽いヤツだなあ。
第8条、嫌われ者の人が自分がその性格ゆえに嫌われ者だということに最後まで気づかないままなのがなあ。
第9条、イシ間の過去が語られる。これは十分に描き切った、いい話。
第10条、なんということのない話のように思うが、なぜかシ村が複雑な表情を見せる……
死役所職員
名前 | 担当 | 初登場 |
---|---|---|
シ村 | 総合案内 | 第1条 |
ニシ川 | 自殺課 | 第1条 |
岩シ水 | 人為災害死課 | 第2条 |
イシ間 | 他殺課 | 第3条 |
ハヤシ | 生活事故死課 | 第6条 |
松シゲ | 交通事故死課 | 第10条 |