鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「静かなるドン」1

静かなるドン1

静かなるドン1

単行本は通巻100を超え、何度も実写ドラマ・映画化されている人気作品である。

もともと新田たつおといえば、アッカーマンとか黒岩先生とかの、劇画調でギャグやパロディを描く作家であった。大人向けの漫画誌でそうした作品が掲載されていると、目には留めたがそれ以上ではなかった。が、本作の連載が始まると、面白いと思い、単行本を買い始めた。当時は自分も20台の後半でそのくらいのお金はあったのである。

が、10冊を超えたあたりで、だんだん間延びしてきたような気がして買うのをやめてしまった。まさか25年にもわたって連載が続くとは思わなかった。

紙の単行本は何度かの引っ越しの際に処分してしまったが、最近よくWeb広告が目に入るので、買い直してみた。面白い、というより懐かしい。近藤クンの顔がまだ幼い。とにかくパロディ連発で、とても長期連載するような骨太な作品ではなかった。

新鮮組という名称や組長の近藤勇足、幹部の生倉新八、肘方年坊という名前からしてパロディだが、絵柄に関してもそう。一巻には関東正気会会長の大久保竜造が登場するが、これは(1975年ごろの)池上遼一だろう。現在の池上遼一は全くタッチが違うから、若い人が見てもわからないだろうけど。*1

生倉の娘の豊美は、当時大人気だったAV女優の豊丸がモデルだが、これももう言わないとわからない(言ってもわからない)だろうなあ。



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*1:Wikipediaには「容姿が「ゴルゴ13」のデューク東郷に酷似する」とあるが、とてもそうは思えない。目が細くて吊り上がっており、眉が太いことを指してそういっているなら、ほとんどの劇画の登場人物はデューク東郷に似ていることになる。まあ、ほとんどの劇画がさいとう・たかをの影響下にあったというのも事実だろうが。