鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ポップライフ」2(最終巻)

  • 南Q太「ポップライフ」2(最終巻)

POP LIFE 2巻

POP LIFE 2巻

ほのぼの漫画なんだけど、ほのぼのでは終わらない。

さくらが仕事をしようとして机に向かい、それから子供を起こしに行ったり水槽のボウフラを取るためのスポイドを買いに行ったり……あれこれやって一向に仕事が進まない(仕事を始めない)描写には思わずうなずいてしまう(実は今も仕事をしないといけないのだが、その前にと思ってブログを書いている)。

ほのぼのではないのは、葬式のためにさくらが帰省するシーン。亡くなった広子はさくらの叔母か? 従妹だと思っていたつばきが実はさくらの実の妹らしいとか。つばきの夫の浮気を責め立てるシーンとか。

るるが友達と学園祭に行くというので、あけみが「じゃあママも行こうかな」というと、「るる、もう親とお出かけしたくないの」と言われてしまったり。成長の証でもあるから、基本的にはいい話なのかもだけど、ビターだなあと。

飼い猫のとらが死んでいくエピソード。その壮絶な死にざまも強い印象を与える。もともとの飼い主である元夫に連絡を取って、最期だから会いに来てといっても来ないところとか。

最後、たいちは高校を卒業して一人暮らしを始め、さくらも海外へ移住を決意する。この海外移住は作者がそうだからとあとがきに書かれている。年齢と職業から、そうだろうなと思っていたが、さくらは作者自身がモデルのキャラクターだったんだと思われる。

明るく、前向きに終わっているのだが、これまで仲良く家族だった人たちがバラバラになって終わるというのはつらいものがある。大昔の朝ドラ「北の家族」がそういう話じゃなかったかな。



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