「ゲッサン」2012年7月号に、本作のパイロット版といえる同タイトルの読み切りが掲載される。ただしキャラクターの顔などは連載になったものとはかなり異なっている。2013年7月号より「ゲッサンmini」にて連載開始。2016年8月号より「ゲッサン」に移籍し、現在も連載中。
一度も読んだことはなかったが、作品名を見かけることが重なり、一度は読んでみたいと思っていた。
次のような作品が、類似するものとしてカテゴライズされるという指摘がある。
作品名 | 作者 | 連載既刊 | 単行本 |
---|---|---|---|
となりの関くん | 森繁拓真 | 2010~(2018) | 既刊10巻(休載中) |
からかい上手の高木さん | 山本崇一朗 | 2012~ | 既刊14巻(連載中) |
古見さんは、コミュ症です。 | オダトモヒト | 2016~ | 既刊19巻(連載中) |
まどからマドカちゃん | 福田泰宏 | 2016~2018 | 全5巻完結 |
イジらないで、長瀞さん | ナナシ | 2017~ | 既刊9巻(連載中) |
佐伯さんは眠ってる | 春原ロビンソン/小菊路よう | 2018~2020 | 全5巻完結 |
僕の心のヤバイやつ | 桜井のりお | 2018~ | 既刊3巻(連載中) |
久保さんは僕を許さない | 雪森寧々 | 2020~ | 既刊3巻(連載中) |
「となりの関くん」という偉大な先駆的作品があり、それを恋愛ものに発展させた「からかい上手の高木さん」があり、ともに人気作品となったところから、同傾向の作品がいろいろ登場しバリエーションが広がって現在に至る、ということらしい。しかし自分には、「となりの関くん」との共通点は見出せなかった。強いて言えば、悪いこと(授業中のからかい行為)をするのは高木さんなのに、怒られるのはいつも西片の方、ということくらいで、同傾向の作品として線を引くことには躊躇がある。主人公の二人がのちに結婚し、子が生まれ、その家族を登場人物とした続編が描かれている点は同じだが。
「イジらないで、長瀞さん」は、本作のフォロワーかと思った(設定は似ている)が、もともとはpixivで2011年から公開されていた作品だとか。そうすると長瀞さんの方が先?
「古見さんは、コミュ症です。」「僕の心のヤバイやつ」「久保さんは僕を許さない」は未読なのでここに含めていいか判断できないが、いずれ読んでみたいという忘備録として記載しておく。
ごたくはともかく、シンプルに面白かった。高木さんの「からかい」は虐めに近いのではという批判もあるようだが、第一回で高木さんは西片のことが好きであるとはっきりと(読者に)告白しているので、そこは気にならない。好きなら何をしてもいいということにはならないが、西片がもう少し勘のいい人間なら、高木さんが自分にベタ惚れであることはわかるだろうになあ……。そんな西片だからこそ高木さんは好きなのだろうが、もどかしい。