鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「恋に恋するユカリちゃん」2

他人の作ったキャラクターを、どうしてここまで魅力的に描けるのか不思議である。ユカリの陶酔ぷりや、サナエのミナのいじりぶりが、「まさにその通り」なのである。

このようなスピンオフ作品というのは、これまでにも「カイジ」の「利根川」や「ハンチョウ」のような例があるのだが、「利根川」「ハンチョウ」は本編では描かれなかった部分に焦点を当てているため、まだわかる気がする(もちろんそこかしこで福本節が炸裂していて、それがオカシイのだけど)。

ところで、登場人物の誰も指摘しないが、本巻にはすごい話がある。ユカリがバレンタインデーに渡そうと、手作りチョコを持ってくるのだ。「頑張って作った」と本人が言っているから、義理チョコではあるまい。もちろんミナやサナエにあげるためでもない(結局は取られるけど)。いろいろあって渡せないのだけど、え? え? いったい誰に渡そうと思ったの!?

サナエから「ユカリにもあげるべき人がいるんじゃない?」と訊かれて「えっ私? 彼とお父さん以外で?」と答えているから、彼がいるってことなの? そうなの?



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