鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ヒビコレ 公民館のジョーさん」2

  • かたおかみさお「ヒビコレ 公民館のジョーさん」2(双葉社ジュールコミックス)

つかみどころのない作品、とは一巻でも書いたが、依然、印象派変わらない。読む分には面白いのだが作品のことをこうして書こうとするととても苦労する。

灯と鷹の両親、梅ちゃんの娘とその夫は、それぞれ愛人を作って、子供を置いて出て行ってしまう。高校を卒業して灯も家を出る。両親に捨てられただけでなく、姉にも見捨てられたと思った鷹は、以後引きこもりになるが、15年ぶりに姉が帰ってきて、少しずつ社会との関わりを持つようになる。

二人がまだ小さいころ、灯が鷹に、お母さんはバカだ、と言うと、鷹が「お母さんのことをバカだと言うな」と言って泣き出したことがある。その鷹を見て反省した灯は、以後、人前で誰かのことをバカ呼ばわりするのはやめようと決心する。

そしていま、バカなクレームをつけに区民館まできた母親がいたが、灯は「はい」「わかりました」と答える。そして帰宅後、鷹に、「バカなことを」とは言わなかったよ、あんたとのことを忘れたことなかったから、と伝える。が、そのとばっちりで夕食が鯵の予定が急遽ハンバーグになってしまい、鷹が「ずっと口が鯵だったんだぞ、作りたいときは事前に言えバカ」と文句を言うと、灯は「ばーちゃんの前でケンカ売らないだけ大人になったな」と答える……

鷹は、この家で生まれたわけではなく、ある時に連れてこられたようだ。どこからどうして連れてこられたのかはわからない。灯は、急にできた弟を彼女なりに可愛がっていたようだが、いろいろ苦労もあったようだ。それは鷹も同じなのだが……。灯は職場では明るく、またてきぱきと仕事をこなしているが、いろいろ心に問題を抱えているようだ。

灯も鷹も、小さな傷をたくさん負いながら、少しずつ前に向かって進もうとしている。

区民館に卓球を利用しに来たおばさんが、ラケットを借りようとして有料なことに文句をつけるのだが、灯がそれにビシっと言い返すのは爽快感があった。その利用料でゴムを張り替えたりする維持費を捻出しているのだからご協力くださいと。



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