鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「小林先輩は女の子でシたい」

  • うり「小林先輩は女の子でシたい(分冊版)」1-5(&.Emo comics)

やたらとスマホに宣伝が表示され、続きが気になったので買ってしまった。最新刊は5巻で以下続刊の模様。各巻とも30ページ足らずの分冊版だが、4月に普通の単行本一巻が出るらしい。

小林と高津は同じ職場の同僚で高津が年下。小林がある日飲んで帰宅し目が覚めたら女の子になっていた。「とりかえばや」の一亜種だが、多くの人(たぶんね)が内心考えつつ、普通の作品では誰もやらないことを、本作ではストレートに実行する。つまり小林は妹の服を着て美容院に行って有村架純の髪形にしてもらい、高津の家に行き、抱いてほしいと言うのだ。女の膣イキを体験したいのだと。

面白いのはここからで、高津はゲイで、女には興味がない。そして小林のことが前々から好きだった。だから男に戻ったら抱きますよ、というのである。一方、小林は同性愛には興味がない。女だから女として男に抱かれたいと思っただけで、男として男を相手にするつもりはないのだ……が、前立腺イキは射精より100倍気持ちいいですよ、と言われて躊躇し出す。

実はマスター(小林と高津はバーテンダーなのでマスターは二人の上司)がふざけて小林に催眠術をかけ、それで女の子になったと思い込んでいるだけで、小林はずっと男なのだった。

女として高津に抱かれたい小林と、男の小林を抱きたい高津の、お互いの片思いが面白い。とりかえばや物語は無数に描かれているが、催眠術が原因であること(だからいつでもかかったり戻ったりできる)、性交(のみ)が目的であるあたりは斬新だ。

女の姿をした小林は、割と自分のタイプで、つい興味を持って購入してしまったのもその理由が大きい。だから女の小林と高津が抱き合っているシーンはそれなりに興奮したが、男の小林と高津のシーンはダメだ。生理的嫌悪感とまではいわないが、好んで見たいシーンではない。

どうも男の小林と高津が付き合うことになりそうだが、果たして。



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