内容
- 喪服の似合うとき
- ラブはナイフ
- 17人の渇き
- 激怒の大地
雑感
喪服の似合うとき
ゴルゴ13が手のしびれに襲われる。これが最初の発病。このため当初は、人を一人殺すのに一週間もこの地にとどまってはいられない、と言っていたが、結局一週間かかってしまった。
並行して、恨みを持つ者からの襲撃を返り討ちにする話。ターゲットを狙撃せず、レストランで食事をしているところを毒ガスを投げ込んで、ターゲットは始末したが近くにいた人をおおぜい巻き込んでしまったとか。一緒に食事をしていた相手が生死の境をさまよった挙句失明してしまい、ゴルゴに恨みを持つに至ったというのだが、ゴルゴがそんな雑な仕事の仕方をしたことがあったのかと驚く。それとも、この男は「巻き込まれただけ」と思っているが、実はターゲットに含まれていたとか?
依頼料は5万ドル。
ラブはナイフ
ゴルゴを騙って高額の「仕事」を請け負っていた殺し屋が、ゴルゴを倒して自分がゴルゴに取って代わろうとする話。ゴルゴの周囲にいる同業者は、魅入られたようにゴルゴに対決を挑む(そして例外なく負ける)が、なぜだろう。共存というか、同業者へのリスペクトみたいなものはないのだろうか。
それにしても、単独行動をむねとするはずのゴルゴに助手がいる……ということより、ロング・キルを本分とするはずのゴルゴがナイフで始末するという時点で相当に違う。ゴルゴに依頼する人はゴルゴに対しても相応の事前調査をするはずだが、なぜ嘘が通用したのだろうか? 本来ならゴルゴに仕事の依頼などできるはずもない、単に噂でゴルゴの名前を知っている程度の層に働きかけたからか。だとしたら客層が異なるので、「棲み分け」はできたはずだが……
偽物は、以前は一回500ドル、ゴルゴを騙るようになってからは一回10万ドルで5回仕事を受けた。
17人の渇き
二重スパイは誰か、というミステリー。ゴルゴは最後に登場するのみ。面白くなくはないが、正体はあまり意外ではなかった。
激怒の大地
ある男を始末するため、CIAやKGB5人もの専門家が送り込まれたが、いずれも返り討ちにされ、ゴルゴに仕事が依頼された。相手方の腕っこきの用心棒は誰だ? という話。これまでゴルゴは「同業者は目でわかる」と言い、初見で正体を見破っていたのに、今回はずっと一緒にいて相手の正体に気づかなかったのは、ご都合主義ではないか。ということでちょっと興醒め。
ゴルゴが仕事の説明を受けている時、そっと場所を移動したことを依頼者に驚かれ、「へやが暗くなって同じところにじっと立っているほどおれは自信家じゃない……」と答えるシーンがある。プロというのはそこまですごいのかと相手が驚くが、その間中ゴルゴは葉巻をふかしているわけで、いくら足音を立てずに移動したところで、煙の出どころが変われば素人だって気づく。こういうところは設定の穴だなあと思う。