鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「初歩からのシャーロック・ホームズ」

目について買ってみた。ホームズものの各社の訳文を読み比べながら正典を再読したのはもう二年前になるか……ついこの間のような気がするが、その上池田邦彦の「シャーロッキアン!」を全巻読んだのが今年の4月、そんな経験をしたばかりだったので面白く読んだ。

「ホームズもの」については断片的に知っているが全体像を知りたい、という人にとっては、少なくとも令和三年に読む本としては、最適な本のひとつであろう。外典紹介では、小説だけでなく、映画・舞台・ドラマ・漫画・アニメ・ゲームなども網羅されていたのが令和だなあと思った。

なおホームズ関連本として僕が読みたいのは、物語の「解釈」に関して、指摘されている問題点・矛盾点およびその解釈についてまとめられたものだ。代表的なものだけでよい。ワトソンは何回結婚したのか、ワトソンがけがをしたのはどこか、ワトソンの名はジョンのはずなのになぜ奥さんはジェームズと呼んだのか、……こうしてみるとワトソン関連ばかりだな。ホームズに関しては取り立てて「問題点・矛盾点」はないと思うけど、出身大学はどこか、兄弟そろってなぜ生涯独身を貫いたのか、などは代表的な研究テーマ。あとは、大空白時代にホームズは何をしていたのか、復帰後はコカインをやめたようだがそれはなぜか、モリアーティは本当のところ何をした人なのか、等々……

こうした、正典の記述を手がかりに、明確に記載されていないことを推理する「ホームズ学」についてまとめた本があったらぜひ読みたいのだが。20代・30代(今から20年以上も前)にホームズ関連本をいろいろ読み漁った時代があったが、その後研究も進んでいるだろう。だから、最新研究を網羅したものを読んでみたいのだ。


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