鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「アンリミテッド」1

タイトルと絵柄に惹かれて衝動買いしたが、思わぬ拾い物だった。引き込まれるし、非常に面白い。

主人公の桐流零央(きりゅう・れお)クンは真面目な高校一年生。しかしサイコパスの資質あり。それを見抜いた警察組織の人に、連続殺人事件の捜査協力を依頼される、というのがおおまかな筋。自身は犯罪者ではないからレクター博士とは違うけど、似たような役割か?

殺人犯の通常の人間とは異なる思考回路、それに基づく行動は、読者の予想を裏切っていく。つまり、予断を許さないストーリー展開ということで、その点がまず面白い。そして主人公が殺人犯(シリアルキラー)に感応する瞬間は妙にゾクゾクする。

非常によくできたサスペンスだと思うし、絵も手馴れたプロの仕事だと思うが、どこの出版社かと思ったら発行元はナンバーナイン……。Wikipediaによれば、本作品は秋田書店の「ミステリーボニータ」に掲載された作品らしく、単行本も1巻は出たようだ。つまり、一応単行本は出したものの増刷はかからず、2巻以降は出してもらえず、仕方なく自分で1、2巻を電子書籍で発行したというわけか。実力は十分感じられるし、実績もそれなりにある作家に対しての出版社のこの扱いはいろいろと疑問に感じるところだが真相がわからないからここまでにしておく。



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