- 平松伸二「リッキー台風(タイフーン)」6
ブラック・タイガー vs テリー・ブロンコ(準決勝):承前
テリーはブラックを投げようとするが、200kgの巨体は投げ切れず、ダブルノックアウト。が、立ち上がったのはブラックの方だった。顔もよく性格もいいテリーが、体重差をものともせずに勝つのかと思いきや、意外にブラックが勝ち上がってきた。もっとも、正義の士が破れ、悪役が生き残るのは、平松伸二らしいといえば平松伸二らしい。
気を失っているテリーに攻撃を仕掛けようとするブラックだが、リッキーがそれを止めに入り、テリーの敵を討つことを誓う。
リッキー・大和 vs ナルシス・シュトラウス(準決勝)
ナルシスがリッキーの宿命のライバルなら、決勝で優勝を争うのかと思ったら、準決勝戦である。これではリッキーの勝ちは決まったようなものだ。それに、この大会では、リッキー以外ではテリーの方が存在感が出てきている。
お互い必殺技を繰り出すも防がれ、途中から反則お構いなしのデスマッチになり、最後はリッキーがリード。ナルシスはリッキーの勝利を認め握手して終わる。
お互いに試合をするというより勝負をつけるためにムキになり、ルールを無視したやりとりを始めるところは、「明日のジョー」の矢吹 vs カーロス戦を思い出させる。もっとも、ある程度までは反則を許容するプロレスと、ボクシングでは意味が異なるが、試合を見ているルー・テーズ、カール・ゴッチ、アントニオ猪木らが「これはパンクラシオンだ……」と感動した面持ちで眺めている点も似ていると言えば似ている。
いい試合だったのだろうが、あまり印象には残らないかな……
テリーが入院した病院から失踪。リッキーが夜の試合場に行くと、そこにテリーがいた……