鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「男 花田秀治郎」(全2巻)

男 花田秀治郎(1)

男 花田秀治郎(1)

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男 花田秀治郎(2)

男 花田秀治郎(2)

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どおくまんの幻のデビュー作。

どおくまんは好きな作家で、中学生の時に「嗚呼! 花の応援団」を読んで「これは漫画史上5本の指に入る傑作だ!」と思い、長い楊枝を咥えてクエックエッと言ったり「役者やのー」と呟いたり高校に進学してから応援団に入ったりした。「嗚呼! 花の応援団」はもちろん「暴力大将」も「熱笑! 花沢高校」も単行本は全巻購入した。

「幻の」と書いたのは、上記の作品以前に「花田秀治郎」という作品があることは知っていたし、実際「月刊ジャンプ」に掲載されていたものを読んだ記憶もあるのだが(当時の月刊ジャンプには「キャプテン」が連載されていましたからね)、長じてのち、単行本を買おうとしてもどこにも売っていなかったからである。これだけの人気作家なのだから、復刊ないし再刊がなされてもよさそうなものだが、その後秋田書店双葉社へ移ってヒットを飛ばし、集英社の仕事をしなかったから冷遇されたのか……

最近になって電子書籍で販売されていることを知り、購入。ようやくちゃんと読むことができた。

主人公の花田が、(「嗚呼! 花の応援団」の)富山だったのは嬉しかった。また、花田の親友の剣は、「暴力大将」では黒木、「熱笑! 花沢高校」では火野として登場し、重要な役どころを務めるが、クールな性格でほとんど笑わないし乱れない、感情を吐露することが少ない。が、剣はよく笑うしよく怒る。黒木が、火野が、笑ってるー! と思うと、これも嬉しかった。

とはいえ、のちの作品に比べれば、絵はまだ未完成だし、話の作りも甘い。ギャグの切れもいまいち。

いろいろな「原形」が詰まっているから、どおくまんのファンなら読むことをお薦めする。



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