漫画家は、「激マン」や「そしてボクは外道マンになる」のような、自伝的作品をどんどん描くべきだ。作者がどういう気持ちで描いていたのか、当時の業界事情はどうだったのか、フィクションも混じっているだろうから鵜呑みは禁物としても、その一端が窺い知れるのは面白い、というのはファンの側のメリットだが、作者にとって、過去の作品の宣伝にもなる。
島本和彦の「アオイホノオ」を読んで、「風の戦士ダン」という作品を知り、単行本を購入した。
小林まことの「青春少年マガジン」で紹介されていた小林まこと作品は(「シロマダラ」のような幻の作品も含めて)既に全部単行本を持っていたが、小野新二、大和田夏希の作品は記憶になく、単行本も持っていなかった。本作を読んでどんな作品か知りたくなり、「純のスマッシュ」と「タフネス大地」の単行本を全巻買った。
「激マン」は、なにしろ永井豪の作品はkindle版が出ていないからな……。
というように、作中に登場した作品に興味を持つ読者が必ずいると思うのだ。そういうわけで出版社は、早くあだち充や岡崎つぐおや原秀則に描かせるといいと思う。
「ドーベルマン刑事」は、連載が終わる頃に少年ジャンプで何度か見た程度。最終回のシーンは印象に残っているが、基本的にはよく知らない。僕が平松伸二の作品を本格的に読み始めるのは「リッキー台風」からだ。
そういうわけで「ドーベルマン刑事」をさっそく購入してみたわけである。なるほど、「そしてボクは外道マンになる」の作中で言っていたことはこのシーンか、などと思いながら読み進めた。感慨深い。
で、まあ、感想をひとこと。確かに、絵はヘタだ。しかし第一話は一人で全部描いたのか。それはそれですごいな。