鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「そしてボクは外道マンになる」2

  • 平松伸二「そしてボクは外道マンになる」2

ドーベルマン刑事」初単行本出来、沖縄取材旅行、担当編集の交代。高校時代に好きだった人と再会。

担当編集者の厳しい指摘を受け、漫画家として成長していることを描いているのであろうが、編集者に魅力がない。お茶目なところを描いたり、鋭い目を持っていると持ち上げてみたりしても、根本的にイヤな人だなと思ってしまう。当然、主人公はそれに反発するから、読んでいて殺伐として気になってしまう。

作家の自伝的漫画としては、もうひとつ、梶原一騎の「男の星座」があった。忘れてはいけない名作だ。ここでも若かりし日の梶原一騎が編集者からイヤな思いをさせられたことがたびたび描かれるが、その編集者はもっと魅力的である。「あしたのジョー」と「巨人の星」がバイブルだったという平松伸二であれば、こういう技法も学んでほしかった……が、作風が違うからそう単純にはいかないか。

作者の初体験の話も出てくるが、こうしたエピソードが本当に必要だったかも疑問だ。



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