- 亜月亮「深・都市伝説」1(ジュール・コミックス)
亜月亮は「都市伝説シリーズ」が当たり作というのか、ライフワークというのか、シリーズ合計で単行本の数は20を超え、全作品の約1/3を占めている。出版社がばらけており、それぞれのシリーズの関連は不明。年代順に読んでみたいところだが、なかなかそうもいかず。本作は以前紹介した「裏都市伝説」より前の作品である。
華嶋れいことその同居人のハルが主人公。れいこは大手出版社勤務、カルト雑誌SUR(シュール)に配属。その雑誌の企画「深・都市伝説」を担当することになったところから物語が始まる。28歳独身彼氏なし。同居人のハルは飲み友達でうっかり家に呼んでしまい、以来、居着いた。ゲイで無職。
超自然現象というよりも、人間の心の闇をえぐり取ることが主題。が、そこは亜月亮なので、超自然現象を連想させる描写もしばしばある。
「包帯女」でれいこの妹・ひとみ(高校生)が登場。
「誕生」にはれいこもハルも登場しない。確認したら、これは本作の連載前の話だ。同時期・同傾向の作品ということで単行本に収録されたということだろう。
このような作品をどうカテゴライズすればいいのかよくわからない。ホラー&サスペンスというか。亜月亮の得意分野といっていいだろう。