鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「夫がまったく働きません。」

コミックエッセイ、紙版は2013年8月30日、kindle版は2014年4月28日刊。

小林薫はこんな漫画も描くのかと、幅の広さに驚きつつ、女だったことはわかった(ついでに僕の二歳年下であることもわかった)が、既婚者であったかなるほど、と思って読んだのだが、二つの点でびっくりした。

ひとつは、本作は何年も前に読んだことがあった。コミックエッセイを好んで読み漁っていた時期に遭遇したのだなあ。読んであまりの詰まらなさに、読んだことを忘れていた。恐らくこれが小林薫の初体験だったはずだが、作者名など全く記憶に残っていない。

後年、小林薫に出会った時には絵柄も内容も相当違うため、同じ作者だとはつゆほども気づかなかった。

ふたつめは、今書いてしまったが、失礼ながら内容が詰まらないこと。夫さんが仕事をやめ、といって家事もせず、それでいて浪費を重ねるというのは、当人は笑い話では済まないだろうし、ネタにするしかなかったのだろうが、なぜ浪費させるままにしている? 経済封鎖はできなかったのか? というより、普通に離婚案件だと思うがなぜ別れない? 別れたくない、別れられない理由が描かれていないので、ただ腹が立つだけで(夫氏にも、夫氏に何もできない作者にも)、話としては面白くない。

こういう作品もあるのだということ。


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