紙の単行本が2巻まで出(2001年4月~8月)、3巻以降が出版されず、2014年9月に電子版が一気に最終巻まで出た、ものと思われる。
押川雲太朗はギャンプルもの専門かと思ったが、こうしたナンセンス・ギャグ作品もあった。ギャンブルものとはかなり毛色が違うが、相変わらず押川節と感じる部分もある。
藤波は個人経営の武器商人である。ヤクザや不良に拳銃を売ろうとするが、簡単には買ってくれない。街が平和だからいけないと思い、ヤクザの幹部を殺して金を奪い、不安を煽って売りつけようとするが……
人が簡単にどんどん死んでいく「ヒリヒリ系」の要素もなきにしも非ずだが、荒唐無稽のギャグ漫画と考えた方がいい。登場人物が、人を殺すことになんのためらいも感じず、殺したあとで罪悪感を持つこともないのは、他の漫画でもあるが、
- 警察が存在しない。派手に人を殺しても公道を戦車が走っても、警官は来ないしつかまることもない
- 藤波の取り扱い商品は、当初は拳銃から始まるが、バズーカ砲から戦車まで、際限がない
- 藤波が死なない
特に三番目はタイトルにもなっている通り、手榴弾が爆発したり銃で撃たれたり、死んだとしか考えられない状況でもたいしたケガもせずに生き残る。これはもうそういうファンタジー世界の出来事だと考えるほかない。
そう思うと、法規にも、常識にも、想像からも外れている藤波の行動は、ギャグとしておおいに笑える。
「BET」の後半で大活躍するミスター・グリーン登場。執筆時期からいえばこちらが先だと思われるので、これでレギュラー入りを果たしたというところであろうか。第一話から登場する田村は、「BET」の北島に面影が似ているが、そこまでの万能感はない。