鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「ボディトーク」

オリジナルは2001年6月1日、桃園書房刊。電子版は2013年8月15日、松文館刊。表題作のほか「天使のわけまえ」「僕の好きなせんせい」所収。「僕の好きなせんせい」は単行本「大好きな僕のせんせい」とかぶる。うーん、ちょっと腹立つなあ。Amazonの内容紹介のページにもそんなこと書いていないし。

表題作は、女性の顔の雰囲気が全体的にややしもぶくれで、僕の知っている有村しのぶとはややタッチが異なる。時代的に少しあとの作品だからだろう。

亮太は隣のユリ姉のことがずっと好きだった。それはユリ姉が結婚しても、離婚して戻ってきても変わらず。元夫が彼女につきまとい、暴力をふるうのを見た亮太が元夫追い払った日に、二人は結ばれる。

亮太のクラスメートの渚は亮太のことが好きだったが、ふとしたきっかけで二人が関係を結んでいることを知ってしまい、ユリのところに「亮太と不潔なことをするのをやめてください」と言いに行く。が、ユリは「不潔じゃないんだよ」と言って渚を3Pに引きずり込んでしまう。

しばらくは三人の関係が続いていたが、ユリの再婚でピリオドを迎え、以後、亮太は渚と付き合う。オチは、旦那が淡白で欲求不満のユリが二人に割り込んで3Pが復活する……というもので、一応ストーリー性はある。未経験でオドオドしていた亮太が年上の女性と付き合って腕を上げていくところや、潔癖症だった渚が性に目覚めていくところなどはちょっと見ごたえもあるが、行為のシーンそのものに関しては似たような手順、似たようなセリフが続く。一人の作者がこういう点で変化を持たせるのはなかなか難しいんだろうなと思う。



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