鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「おのぞみの結末」

「ボッコちゃん」は50編、「ようこそ地球さん」は42編、「ボンボンと悪夢」は36編、「悪魔のいる天国」も36編収録されているが、本作は11編。星新一的には非常に少ない。ショートショートショートとでも呼びたくなるような超短編がなく、長さが揃っている。恐らくどこかの月刊誌に連載された作品、とかではないだろうか。

「あの男この病気」が印象に残る。これ、追う立場と追われる立場と順序が逆の方がいいのではないだろうか。せっかく追う立場をクリアして、追われる立場になったのに、追いかけてくれる人がいなかったら宙に浮いてしまう。しかし、先に追われる立場となると、命の危険がないだけに、真剣にやらない人もいて、目標のクリアが簡単過ぎることになりかねないから、これでいいのかな。

「侵入者との会話」は、いくらこれから殺すからといっても、登場人物がペラペラしゃべり過ぎる。そのしっぺ返しを受けただけ。もっとも、これは本作に限らず、多くの小説や漫画などで思うことだ。読者に対する説明という役割があるから、難しいところなのだろうが。

「現実」は、恐ろしい話だ。こんなことはあり得ない、とは一笑に付せない。あってもおかしくないような気になる。そして、あったら楽しいだろうな、とも思ってしまう。

「わが子のために」何の証拠もないのに、信用し過ぎ。

「要求」皮肉が効いている。



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