鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「島さん」2

  • 川野ようぶんどう「島さん」2(アクションコミックス)

2021年7月28日刊。

第13話で島さんは、万引きというにはかなり悪質な窃盗犯をおいつめ、警察に連れていく。

こういうのは怯えると相手は嵩にかかってくるので、毅然とした態度で接することが第一ではある。が、追い詰められれば当然暴力をふるうこともあるわけで、島さんは、イザとなればこのくらいのチンピラの二人や三人、余裕で片付けられる程度の腕力はあるのだと思っていた。だから臆せずにいられるのだと。

が、第10話で、万引き犯に突き飛ばされたアルバイトの女の子をかばった際に突き指(?)したのを見ると、そういうわけでもなく、年齢相応の運動神経と体力であるらしい。とすると、毎回のように読者に披露している背中の紋々はいったい何なのだ?

第14話は育ての父・稲三の話。砂二(島さん)は自転車にうまく乗れない。それをからかわれ、思わず暴力をふるってしまう。自転車が下手でからかわれるのは構わない、でも自転車をボロだと言われるのは許せなかった、生まれて初めて人からもらったものだから……泣かせるなあ。

連載前の第0話が収録されている。絵柄がちょっと違う。その1は、意図してのことではないが、イキっていた人が島さんの背中を偶然見てしまい、以後大人しくなるというもので、これは、わかる。連載が始まってから、島さんの背中を見た人は(読者以外)いないよね。



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