鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「うっかり幼馴染と結婚の約束をしてしまってた結果」(全3巻)

  • さとうユーキ「うっかり幼馴染と結婚の約束をしてしまってた結果」1, 2, 3(有機化合物Presents)

1巻は、オリジナルは2019年8月25日刊。kindle版は2019年10月18日、ナンバーナイン刊。2巻は、オリジナルは2019年12月30日刊。kindle版は2020年2月7日、ナンバーナイン刊。3巻は、オリジナルは2019年12月30日刊。kindle版は2020年2月7日、ナンバーナイン刊。一冊が短いので、まとめて書く。

杉戸亮(27歳)は、10年前に近所に住む宮代優香(6歳)に「りょーくんとけっこんするー」と迫られ、「ゆーかちゃんが16歳になったらねー」と返事をした。つまり、結婚の約束をしたわけだ。そんなことをすっかり忘れていた10年後、16歳になった優香が亮の許に現われ、約束を果たしましょうと言うところから話が始まる。しかし亮には、春日部香澄という彼女がいた……

一途な優香に、亮は、自分には付き合っている人がいるとは言えず、ずるずると逢瀬を重ねてしまう。一方、香澄は偶然優香と知り合い、仲良くなる。優香は香澄が亮の彼女だとは知らず、香澄になついて……

ありがちな設定といえなくもないが、どのような展開になるのかハラハラし、楽しめた。短く終わらせたのも正解。引っ張ると、三人の悪い点がクローズアップされてしまうので。最後まで三人ともが魅力的に描かれていたのはよかった。

亮は優しい人だと、優香も香澄も思っているが、優しいというのは優柔不断という意味でもあり、優柔不断は時として人を大きく傷つけることもある、ということがよくわかる。最初になんで断われなかったのかと思うけど、しかし、あるタイミングできちんと事情を優香に話したのは立派。香澄も亮のそういう性格を知っていて、見放さず、割り込みもせず、亮が問題を解決するのを待っていたのも立派。

優香に関しては、中学・高校と、思春期に他の人を好きになることはなかったのか? とか、亮が好きなら好きで、今は近所ではなくても比較的近いエリアで生活しているようだから、親しい付き合いは続けていればよかったのに、なぜ16歳になるまでずっと会わずにいたのか? とか、16歳で結婚してしまっていいの? とか、とか、いろいろと疑問が湧く。前半はちょっと怖いなと思ったが、亮に振られたあとの態度はよかった。これで好感度が一気に上がった。



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